鍛造コース
1.鍛造温度と変形並びにファイバーフローの相違
<講義内容>
熱間鍛造される材料は塑性変形されて加工硬化するが、同時に回復が始まるとともに、再結晶が生じて軟化する。どちらの現象が顕著に表れるかは、温度及び時間に依存する。こうした現象について具体的に、鍛造材料の代表例としてクロムモリブデン鋼(SCM420)を用いて熱間圧縮試験を実施し、熱間変形抵抗式を求めると共に熱間引張試験及び熱間ねじり試験をした結果を比較検討しながら熱間鍛造材料特性について解説している。
講師名
元新日本製鐵(株)環境プロセス研究開発センター 吉田 忠継
元新日本製鐵(株)環境プロセス研究開発センター 吉田 忠継
2.実験解析によるメタルフローの比較実習
<講義内容>
ベベルギアの熱間鍛造を例題として、鍛造荷重並びに鍛造エネルギーをモデル材料を用いた実験結果から推定できる実験解析法を紹介する。解析結果を用いて、一定量のエネルギーを与えて行う熱間型鍛造において、素材温度が低い場合よりも、素材温度が高い場合の鍛造荷重が高くなることのメカニズムを解説する。また、型寿命を長く保つためには、型に作用する圧力とそこを通過する材料速度との積を小さく保つことが重要である。熱間据込み実験状況を報告すると共に、熱間鍛造における温度の役割を考える。
講師名
元新日本製鐵(株)環境プロセス研究開発センター 吉田 忠継
(社)日本鍛造協会 中丸 善明
(財)素形材センター開発研究所 高橋 昌太郎
元新日本製鐵(株)環境プロセス研究開発センター 吉田 忠継
(社)日本鍛造協会 中丸 善明
(財)素形材センター開発研究所 高橋 昌太郎
3.鍛造の特徴
<講義内容>
ネットシェイプ鍛造を実現する金型設計や鍛造欠陥対策のためには、鍛造における材料流動の特徴をよく理解していることが大切である。鍛造塑性力学は押出しや鍛造などにおいて生じている実際の現象をよく捉えている。そこで、最初に鍛造の基本的変形である据込み圧縮変形の力学をわかりやすく解説する。次に閉塞鍛造、組合せ押出しなどの材料流動の特徴、並びに押出し荷重の計算方法を説明する。また、いろいろな鍛造法の特徴、鍛造欠陥及びその対策に言及する。材料流動に関する知識は、金型設計だけではなくコンピュータシミュレーションにも役立つ。
講師名
独立行政法人産業技術総合研究所 篠崎 吉太郎
独立行政法人産業技術総合研究所 篠崎 吉太郎
4.コンピュータによる鍛造シミュレーション実習
<講義内容>
鍛造における材料流動は複雑で、型設計には熟練技能は欠かせない。一方、コンピュータは普及しコンピュータソフトは充実しており、設計にコンピュータを援用することは実勢とも言える。
今、どのようなコンピュータソフトが作成されているか展望し、次に、一つの代表的コンピュータ解析ソフトMSCスーパーフォージを取りあげて、その構成及び特徴をわかりやすく解説する。また、同ソフトを用いて、プリフォーム形状が折込み傷の生成に影響することをコンピュータ上で体験できる。シミュレーションソフトは、ベテラン技術者の便利なツールであることを説明する。
今、どのようなコンピュータソフトが作成されているか展望し、次に、一つの代表的コンピュータ解析ソフトMSCスーパーフォージを取りあげて、その構成及び特徴をわかりやすく解説する。また、同ソフトを用いて、プリフォーム形状が折込み傷の生成に影響することをコンピュータ上で体験できる。シミュレーションソフトは、ベテラン技術者の便利なツールであることを説明する。
講師名
日立造船情報システム(株) 成田 忍・森 洋志
日立造船情報システム(株) 成田 忍・森 洋志