経済産業大臣賞
「プロセス制御と特殊金型機構による高品位ダイカスト技術の開発」
開発代表者:
アイシン高丘株式会社 初山 圭司
共同開発者:
アイシン高丘株式会社
新美 富男/澤田 義政/伊藤 浩一/金曽 誠/脇上 一也
技術概要説明
自動車の自動変速機を構成するオイルポンプ部品は複雑形状をもち、且つ高品位を求められるため、砂中子を用いた鉄鋳物により生産されるものであった。通常のアルミダイカストでは成形不可能で有り、これまでダイカストによる大量生産の例は見なかったが、以下のプロセス制御と特殊金型機構による高品位ダイカスト技術の開発により、オイルポンプの量産化に初めて成功した。
(1) 砂中子レスが可能な特殊金型構造の開発(日本、米国特許取得)
(2) 合金成分、凝固最適化による表面硬度、強度の制御
(3) 高精度溶解と断熱性潤滑剤適用による破断チル、酸化物の除去
(4) 真空鋳造および充填初期の層流充填、ショックレス射出、
充填後期の超高速射出制御による鋳巣発生防止
(5) 湯流れ、凝固シミュレーションによる湯流れおよび指向性凝固の確保
本開発技術によるオイルポンプ部品の特徴は、従来の鋳鉄系材料品と同等以上の設計強度、部品機能を維持しながら、50%という大幅な軽量化に成功している点である。
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