ダイカストによる中空形状の成形は、強く望まれているものの崩壊性中子の強度と崩壊性の両立という困難な技術課題があった。本開発は、これらの技術課題を解決し、これまでにない長い中空経路を有する大型製品をダイカストで製造することを可能とした技術である。
高強度の外層と易崩壊の内層で構成される二層式砂中子と高圧の溶湯充填に耐えられる耐圧コーティングの開発により、高速射出速度2.4m/s、増圧圧力74MPa の鋳造条件でも中子が破損することなく平滑な中空内面が得られる。鋳造後は常温下で加振のみにより、最長260mm の中空経路から中子を除去することができる。従来の重力鋳造品と比較して、生産性向上、軽量化、材料歩留まり向上及び加工箇所の大幅減少を実現した。
現在小型トラック用エンジン部品として月当たり4,000 台を納入しており、今後も重力鋳造品または低圧鋳造品のダイカスト化や溶接品の中空一体化などへの展開が期待される。
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